Human ヒューマンリソシア

Ruby on Rails GuidesRuby on Railsの魅力
MENU

Railsの求人動向

高収入が見込まれるWebプログラミング経験者向けの求人

Rubyという開発言語は初心者が理解しやすいということもあり、ほとんどのRubyの開発環境で使用されるRuby on Railsも初心者向けという印象を持たれることもありますが、実はそうでもありません。確かに、Ruby on Railsは少ないコード量で大きなシステムを作れてしまう側面もありますが、それ故に知っておかなければならないWebプログラミングの常識的背景が求められます。Ruby on RailsはWebサービス開発のルール(Rail)の集合体であり、その開発ルールがあるからこそWebサービスを少ないコード量で効率的に開発できるフレームワークなのです。

この開発効率の高さからスタートアップのWebサービスで採用されることが多く、それ故にプロジェクトチーム自体もスモールスタートになることが大半です。小規模のプロジェクトチームで始める為、一人でデザインからデータベース設計、コーディングなど特定の部分の工程を一人で全部担当することも多いです。それ故にRailsエンジニアは技術力が全般的に高いです。

開発効率が高く、少人数で開発をスタートできるからこそ、Railsエンジニアの求人は高額なものが多いです。実際にRubyの年収別求人分布(Indeed Japan 2014年11月)を見てみると、以下の分布になっています。(求人情報でRubyと書いているものの大半はRailsの求人情報になります)

上記のグラフを見ると年収800万円以上の求人の比率が15.5%になっています。ちなみに全言語での年収800万円以上の求人の割合は4.7%となっており、Ruby on Railsは他の言語と比べても極めて高収入な求人が多いことがわかります。上記数値は求人給与幅の最下限を集計しているため、実際に採用されているかたの収入はもう少し高いはずです。ちなみに厚生労働省の平成25年の調査結果を見るとプログラマーの平均年収が436万円であることを考えても、Railsの求人が高額なことが推測できると思います。

他言語もできるバイリンガル

Railsエンジニアの開発現場では、デザイン設計からDB設計、コーディングまで何でも担当しなければならないことが多いですが、言語も複数の言語が求められることが多いです。実際の求人情報を見てみるとRails以外にもJavaやPHPなどの言語が求められることが多いです。以下の求人は一例ですが典型的な求人だと思います。

Railsエンジニアの求人案件はお客様との契約もアジャイル開発の契約が多いということもあり、クライアントの要件により、言語を使い分けることが多いということだと思います

日米のRails求人動向

米国のIndeed社の2015年3月求人情報の集計によると、2005年を起点にした全米のRails案件成長率は約2000%であり、全米のRails求人数は18,224件になります。この成長率は他の技術と比べてもトップクラスの成長率であり、Javaの求人数83,773件と比べても大きなシェアを持つようになってきました。

また、米国の調査で平均年収が1300万円になり、高額平均給与ランキングで1位になりました。

平均給与にはエンジニアの需給バランスの話もあるので、平均給与が高いからと言って将来有望な言語とは言えません。しかしRailsの場合はこの10年間での求人数の成長率が高く、求人数も2万件に迫るようになり、求人成長率、求人数、平均給与の3点で高いポジションを確立してきているため、今後も引き続き有望視できると考えています。

一方で2014年の日本国内Ruby求人数は6,551件になり、前回比226%増加しました。(Indeed Japan 2014年11月)前述の求人給与レンジを踏まえて考えると、国内でもRailsは求人成長率、求人数、平均給与の3点で高いポジションを確立してきていると考えられます。

また、日本国内では慢性的なRailsエンジニア不足により、派遣スタッフの求人も高騰しています。Railsはプロジェクト単位で求人が発生しやすいこともあり、プロジェクト単位で契約できる派遣スタッフのニーズも高いです。Findjobの求人調査によると以下の通り、都道府県別・契約形態別年収ランキングの上位4位までが派遣社員の求人です。

Rails開発経験がない方にとって、派遣求人はRails経験を積むための最初のステップとしてはとても魅力的です。それは平均年収が高いという話もありますが、正社員よりも採用ハードルが低いため、Rails未経験者が採用される可能性が高いからです。他言語でWebサービスの開発経験がある方で、これからRailsでの就業に興味がある方は是非チャレンジしてみてください。

Rails求人で採用されるためには

ここまでのまとめをすると以下になります。

Rails求人の傾向
  • 高額な求人が比較的多い
  • 他言語取得者が求められる
  • Webサービス開発経験が求められる

上記の傾向を持つRailsの求人にRails開発未経験者が採用されるために必要なことは、以下だと思われます。

  1. 他言語での開発経験がある方は、Railsを学習していただき、できれば学習の成果を証明するべくRails技術者認定試験に合格しておくことや、実際に自身が書いたコードを持参して面接に臨むのが良いと思います。 Ruby on Railsに関するおすすめの情報源を集めたサイトはこちらになります。日本人初心者エンジニアのためのRuby on Railsの歩き方
  2. Webサービス開発経験がない方や他のプログラミング言語の経験が浅い方は、入門者に適したPHP等のプログラミング言語で経験を積まれてから、前述の「1」の方法でチャレンジされることをお勧めします。

執筆者:Rails技術者認定試験運営委員会 共同委員長 吉政忠志